クリストファー・ボルグリ監督の『The Drama』を観た。結婚式を間近に控えたエマ(ゼンデイヤ)とチャーリー(ロバート・パティンソン)は友人夫婦との会話がきっかけで、その仲はおろか、最も近しい人たちとの関係にも亀裂が入る…
人は多面的で、誰しもが他人に見せる面と見せない面があると思うのだが、この映画の主題はまさにそれで、レイチェル・セノット主演の『シヴァ・ベイビー』と同じタイプの作品だと思う。
私も14歳の頃はどちらかというとエマ側の人間だったので、学校での銃乱射は実行していないのに、その思考を非難されてもなぁと思う。彼女が銃を手に取れたのも、その後銃規制を求める活動をしていたのも周りの環境によるものだった。とはいえこの映画はそんなに真面目なトーンではない。友人であるレイチェル(アラナ・ハイム)がエマを特に強く非難していた理由が自身のいとこが半身不随なのは銃乱射の被害にあったからという一点のみであり、それをお前が言えた口かとしっかりツッコミが入ったりする。そもそも変な映画だし、笑えるところもあって、ロバート・パティンソンもしっかり変な男である。
それでもエマの過去の記憶やチャーリーの頭の中で増幅される銃を持った彼女のイメージがそれなりに怖くなっていくので、それ相応のTrigger Warningが必要なのではないかと思った。私がこの映画を見たのは、ニュージーランドのクライストチャーチでのことであり、私が事前警告を見落とした可能性も0ではないが、上映途中で複数人が劇場を出て行った。独立系の映画館には警告があるのかもしれないが確認はできていない。
銃乱射事件など銃犯罪が後を絶たないアメリカで、ウトヤ島などでのテロ事件が起こった国出身の監督がこの映画の脚本を書いて撮っているのだから、エマの告白の内容自体に意味を持たせたかったのかなと思うけれど、ラストが普通のラブコメみたいだったので、やっぱりこの映画は変な映画である。